今資格のまとめサイト見てるんすけど、この資格とかよくないすか?公的資格らしいし!
実は公的資格は2005年に廃止されたのよ。
資格の種類は今や数えきれないほど多くあり、資格のまとめサイトも数多く存在しています。
そのような資格まとめサイトで「公的資格」の文言を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
しかし、実は「公的資格」の制度は2005年に廃止されています。
そこで今回は、公的資格とはそもそもどのような制度だったのか、どのような資格があったのか等紹介します。
公的資格とは

資格の種類は、大きく分けると国家資格、公的資格、民間資格の3つに分けられます。
公的資格とは、民間団体や公益法人が実施し文部科学省などの省庁や大臣が認定する資格を言います。
分かりやすく言うと、国家資格と民間資格の中間あたりに位置付けられます。
国家資格、民間資格とは
国家資格とは、法律に基づいて国や国から委託を受けた期間が実施している資格を言います。
国家資格には以下のような資格が挙げられます。

民間資格とは、民間の団体や企業が独自の審査基準を設けて認定している資格を言います。
民間資格には以下のような資格が挙げられます。

公的資格の制度は2005年に廃止された

かつて資格の種類は国家資格、民間技能審査事業認定制度に基づく資格、その他民間資格の3種類に分けられていました。
- 国家資格
- 民間技能審査事業認定制度に基づく資格
- その他民間資格
この「民間技能審査事業認定制度に基づく資格」がいわゆる公的資格と呼ばれる資格です。
しかし、天下り団体と民間団体の癒着が問題となったため、2005年にそれまで公的資格の根拠となっていた民間技能審査事業認定制度が廃止されました。
つまり、現在は公的な根拠を持つ公的資格は存在しません。
現在公的資格と呼ばれているものは何?

現在「公的資格」と呼ばれている資格の多くは、かつて民間技能審査事業認定制度の認定を受けていた資格です。
公的資格と記載することで、民間試験の枠を超えた公的な資格であるという価値付けをすることができるため、現在も「公的資格」と紹介している資格が多く存在します。
また、現在では各省庁の後援を受けている資格も公的資格と呼ばれます。
各省庁の後援は意外と簡単に受けられる

例えば、文部科学省の公式サイトには以下のように記載してあります。
文部科学省では、団体等が主催する各種の行事等が、当省の推進する施策と密接に関連し、積極的に後援すべきと認められる場合には、主催者からの申請に基づき、文部科学省後援名義や文部科学大臣賞の使用を許可しています。
この使用許可ですが、PR目的に利用される以外に用途がほとんどなく、後援を受けたからと言って金銭援助が受けられる事もありません。
そもそも、宗教的要素や政治的要素が強いなどの法令上問題のある団体でなければ、割と簡単に許可が降ります。
▷文部科学省公式サイト「文部科学省後援名義等の使用許可申請について」
公的資格は意味がない?
かつて公的資格と呼ばれていた資格の中には、実は公共性の高いものが多くあります。
例えば、民間資格である日商簿記検定1級に合格すると、国家資格である税理士試験の受験することができます。
一方できもの文化検定や貿易実務検定などの資格は、合格したからと言って特別何かの試験の受験資格になるわけでもなく、単純に知識を身に付けるだけの資格です。

役に立つ公的資格一覧
資格名 | 資格取得のメリット |
---|---|
日商簿記検定1級 | 税理士試験(国家試験)の受験資格・一部大学で入試優遇 |
日本語漢字能力検定(漢検) | 一部大学で入試優遇 |
数学検定・算数検定 | 一部高校・大学で入試優遇 |
英検 | 一部高校・大学で入試優遇・留学優遇 |
TOEIC | スコアが高ければ、一部大学入試優遇・留学優遇 |
統計検定 | 一部大学入試優遇 |
福祉住環境コーディネーター | 介護保険制度における住宅改修費受給のための理由書を作成することができる(2級以上) |
食品衛生責任者 | 飲食店の開業に必須 |
ビジネス著作権検定 | 知的財産管理技能検定(国家試験)2級の受験資格 |
臨床心理士 | スクールカウンセラーになるために必須 |
証券外務員 | 証券外務員になるために必須 |
消費生活アドバイザー | 消費生活相談員(国家資格)が取得できる |

まとめ
- 公的資格は現在は存在しない制度
- 「公的資格」を名乗っている資格は実質ただの民間資格
- 民間資格の中にも公共性の高い資格は数多くある
