種類 | 難易度 | 合格率 | 学習期間の目安 |
国家資格 | 普通 | 26% | 3ヶ月 |
年収 | 受験資格 | 試験月 | オススメ度 |
370~500万円 | 一部あり | 10月 |
今日はどうしたの?
じゃあその子に公害防止管理者を紹介したらどうかしら?国家資格だし!
あいつ結構忙しいからそんな勉強時間確保できないと思うんで、国家試験は微妙っすね…。
日本では飛躍的な経済発展と共に、あらゆる場所で公害問題が起きました。
そんな公害問題を引き起こさないために、多くの工場で公害対策が重要視されています。
そこで公害問題の対策として、ある一定の工場には公害防止管理者の選任が必須義務となりました。
今回はそんな公害防止管理者の資格の難易度や合格率、試験内容や勉強方法などについて紹介します。
公害防止管理者の勉強にオススメのテキストや無料で使える過去問まとめサイトをいち早く知りたい人はこのページの最後にまとめて紹介してあるので参考にしてください。
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公害防止管理者とは

公害防止管理者とは、大気汚染、水質汚濁などの公害を防止するため検査や測定など必要な業務を行う役割を担う人のことを言います。
特定工場では、一定の資格を有する者の中から公害防止管理者の選任をする事が「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」という法律で義務付けられています。
特定工場とは?
以下の「事業内容」「対象となる工場」からそれぞれ1項目以上当てはまる工場の事を言います。
〜事業内容〜
- 製造業(物品の加工業を含む)
- 電気供給業
- ガス供給業
- 熱供給業
〜対象となる工場〜
- ばい煙発生施設
- 特定粉じん発生施設
- 一般粉じん発生施設
- 汚水等排出施設
- 騒音発生施設
- 振動発生施設
- ダイオキシン類発生施設
関連資格:エネルギー管理士・環境計量士

資格の種類は13種類もある!
公害防止管理者の資格の種類は全部で13種類あります。
- 大気関係第1種公害防止管理者
- 大気関係第2種公害防止管理者
- 大気関係第3種公害防止管理者
- 大気関係第4種公害防止管理者
- 水質関係第1種公害防止管理者
- 水質関係第2種公害防止管理者
- 水質関係第3種公害防止管理者
- 水質関係第4種公害防止管理者
- 騒音・振動関係公害防止管理者
- 特定粉じん関係公害防止管理者
- 一般粉じん関係公害防止管理者
- ダイオキシン類関係公害防止管理者
- 公害防止主任管理者
大気関係と水質関係に関しては、規模や排水排ガスの種類によって一種〜四種まで分かれています。
それぞれ一種の資格であれば、規模や排水排ガスの種類に関わらず扱う事が可能です。
どの工場がどの公害防止管理者の資格を必要とするか具体的に知りたい人は以下のURLを確認してみてください。
▷一般社団法人産業環境管理協会 「公害防止管理者の資格について」
人気があるのは水質1種と大気1種

上記の表は、令和2年度の公害管理者のそれぞれの資格の受験者数を比較したものです。
グラフでも明らかですが、大気関係第1種公害防止管理者と水質関係第1種公害防止管理者が圧倒的に人気があります。
水質一種と大気一種はなぜ人気があるの?

これらの資格が人気がある理由は、特定工場においてそれぞれ排水排ガスの規模に関わらず、公害防止管理者として業務に従事できるからです。
活躍できる幅が広いということはそれだけ需要が多いという事であり、就職・転職にも大いに役立ちます。
また、公害防止管理者の水質関係と大気関係の資格が多くの工場で需要があるという事も、他の区分より受験者が多い理由となっています。
水質と大気のどっちを取得すればいい?

自分が勤めている会社で必要とされる資格を取得することが1番ですが、どちらの資格も必要とされている会社もあります。
そうなると、どちらの分野の資格を取得すればいいかわからないですよね。
そんな人は、比較的合格率の高い「水質関係」の分野で取得する事をオススメします。
役に立つ資格?
難易度 | 3.5/5点 |
---|---|
転職に有利か | 4.0/5点 |
評価アップに繋がるか | 4.0/5点 |
独立できるか | 2.5/5点 |
将来性はあるか | 4.0/5点 |
昇給・キャリアアップが狙える

特定工場に該当する工場の多くでは、公害防止管理者の資格保有者に資格手当が支給されています。
資格手当の額は毎月数千円ほどの会社がほとんどですが、資格手当が毎月1万円を超える会社も一部あります。
また、公害防止管理者の資格を取得する事を昇給の条件にしている会社も多く、管理職へのキャリアパスのような役割を担っています。
もし勤めている会社が特定工場に該当するのであれば、公害防止管理者の資格を取得しておいた方が良いでしょう。
転職・就職に役立つ
「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」により、特定工場には公害防止管理者の選任が義務付けられています。
つまり、今後もその法律が存在する限り公害防止管理者の需要はなくなりません。
そのため、公害防止管理者を取得すれば、工場や大型施設における就職や転職でかなりの強みになると考えられます。
例えば、リクナビNEXTで「公害防止管理者」と検索した場合、54件もの求人がヒットします。

これらの求人では、公害防止管理者の資格を有する人が面接で優遇される事が考えられます。
公害防止管理者に関する仕事について調べたい人は、以下のボタンから求人をチェックしてみてください。
年収はそれほど高くない
公害防止管理者という仕事自体の年収は370〜500万円ほどで有り、それほど高い金額ではありません。
ただし、公害防止管理者以外にも「エネルギー管理士」や「環境測量士」などの関連資格を身に付ければ、さらに年収を増やすことも可能です。

公害防止管理者を取得するには?
公害防止管理者の資格を取得するには以下の2つの方法があります。
- 国家試験に合格する事
- 認定講習を受ける事
国家試験に合格する事

公害防止管理者の国家試験は毎年10月にあり、年1回勝負となっています。
ただし、後ほど紹介する「科目別合格制度」を利用すれば1年で合格しなくて大丈夫なので、それほど身構える必要はありません。
また、受験資格は一切定められていないので学生でも受験が可能です。
認定講習を受ける事

〜認定講習の流れ〜
認定講習に申し込む
↓
認定講習を受講する
↓
最終日の修了試験に合格する
↓
公害防止管理者合格!!
公害防止管理者の認定講習は12月~3月の時期に、全国分合わせると毎年30回程度行われます。
この認定講習を受講し、最終日に行われる修了試験に合格すれば公害防止管理者の資格を取得できます。
ちなみに、認定講習を受けるには一定の受験資格が必要となっています。
〜認定講習の受験資格〜
認定講習を受けるには、上記のいずれかに該当していなければなりません。
国家試験と認定講習のどっちがいい?

どちらの方法で公害防止管理者の資格を目指せばいいか悩んでいる人もいるかと思います。
当サイトでは、国家試験に挑戦して合格を目指す方法をオススメしています。
国家試験をオススメする理由は以下の通りです。
- 科目別合格制度を利用できる
- 認定講習は料金が高い
- どのみち試験を受けなければならない
科目別合格制度が利用できる
まず、後で詳しく紹介する「科目別合格制度」を利用できるのは国家試験の場合に限られる事です。
この制度を利用すると、本来1年で全科目合格しなければならない試験を3年に伸ばすことができます。
この制度を利用することは、勉強時間や受験料を抑える上で非常に重要なポイントとなります。
(認定講習の場合)
→最終日の修了試験で全科目合格しなければならない
(国家試験の場合)
→3年間で全科目合格すれば良い
認定講習は料金が高い
国家試験は高くても8700円ですが、認定講習は最低でも19500円必要となります。
この講習費用にテキスト代は含まれていないので、さらに費用は高くなります。
(認定講習の場合)
→最低でも19500円+テキスト代必要
(国家試験の場合)
→3年間で全科目合格すれば良い
どのみち試験に合格しなければならない
認定講習を受ける場合でも結局修了試験に合格しなければ公害防止管理者の資格を取得することはできません。
(認定講習・国家試験)
→試験に合格しなければならない
以上の理由から、公害防止管理者を目指すなら国家試験を受講することをオススメします。
国家試験の情報
試験月 | 10月 |
---|---|
申し込み | 7月上旬〜 |
受験資格 | なし |
試験方式 | 5肢択一のマークシート方式 |
試験範囲 | 一般社団法人産業環境管理協会公式サイト参照 |
試験時間 | 一般社団法人産業環境管理協会公式サイト参照 |
受験費用 | 大気関係第1種公害防止管理者:8,700円 大気関係第2種公害防止管理者:8,200円 大気関係第3種公害防止管理者:8,700円 大気関係第4種公害防止管理者:8,200円 水質関係第1種公害防止管理者:8,700円 水質関係第2種公害防止管理者:8,200円 水質関係第3種公害防止管理者:8,700円 水質関係第4種公害防止管理者:8,200円 騒音・振動関係公害防止管理者:8,200円 特定粉じん関係公害防止管理者:8,200円 一般粉じん関係公害防止管理者:8,200円 ダイオキシン類関係公害防止管理者:8,700円 公害防止主任管理者:8,700円 |
資格取得の条件 | 国家試験を受験し、一定の合格基準を満たした者 |
備考欄 | 科目別合格制度あり(要申請) |
科目別合格制度とは
平成18年度以降、公害防止管理者の国家試験には科目別合格制度という制度が設けられています。
科目別合格制度は、さらに科目合格による科目免除と区分合格による科目免除の2種類に分けられます。
科目別合格制度
- 科目合格による科目免除
- 区分合格による科目免除
科目合格による科目免除
科目合格による科目免除とは、受験した試験区分を構成する一部の科目に科目合格すると、同じ試験区分を受験する場合に限り、最初に合格した年を含め3年までは合格科目の受験を免除できる制度です。
つまり、この制度を利用すれば3年間で試験合格に必要な科目全てに合格すれば公害防止管理者の資格を取得する事ができます。
科目合格を利用した国家試験の突破方法は以下の表を参考にしてください
科目A | 科目B | 科目C | 科目D | |
1年目 | 合格 | 不合格 | 不合格 | 不合格 |
2年目 | 受験不要 | 合格 | 不合格 | 合格 |
3年目 | 受験不要 | 受験不要 | 合格 | 受験不要 |
区分合格による科目免除
区分合格による科目免除とは、ある試験区分に合格し資格を取得すると、後年以降、別の試験区分を受験する際に共通科目の免除を受ける事ができる制度です。
なお、こちらの免除は「科目合格による科目免除」と異なり年数に制限がありません。
そして、この制度の驚くところは、全科目免除も可能であるという点です。
例えば、既に大気二種と大気三種の資格を有している場合、それぞれ以下の科目が免除対象となります。
大気二種 | 大気三種 | |
公害総論 | ◎ | ◎ |
大気概論 | ◎ | ◎ |
大気特論 | ◎ | ◎ |
煤塵・粉塵特論 | ◎ | ◎ |
大気有害物質概論 | ◎ | |
大規模大気特論 | ◎ |
大気一種の試験科目は上記の6科目なので、事前に免除申請をしていれば全ての科目が免除されます。
ちなみに、科目合格しかしていない場合は全科目免除の対象にならないから注意するのよ!
国家試験の難易度
それでは、国家試験の難易度について紹介します。
国家試験の合格率
試験区分 | 合格率 |
---|---|
大気一種 | 23.6% |
大気二種 | 21.0% |
大気三種 | 19.4% |
大気四種 | 17.8% |
水質一種 | 30.4% |
水質二種 | 17.9% |
水質三種 | 33.2% |
水質四種 | 20.7% |
騒音・振動関係 | 27.2% |
特定粉じん関係 | 34.9% |
一般粉じん関係 | 28.7% |
ダイオキシン類関係 | 40.2% |
公害防止主任管理者 | 30.8% |
上記の表は、令和2年度に行われた公害防止管理者の国家試験の合格率をまとめたものです。
合格率から分かる通り、資格試験の中ではそれほど難しい部類ではないので独学でも十分合格レベルに到達できます。
国家試験の勉強時間
国家試験の勉強時間は大体150時間前後と言われています。
つまり、1日2時間の勉強を3ヶ月継続すれば合格する事ができます。
国家試験の勉強方法
国家試験の勉強には以下のテキストがオススメです。
こちらのテキストは公害防止管理者の勉強をする受験生のほとんどが利用している、通称「電話帳」と呼ばれる公式のテキストです。
「電話帳」と呼ばれるだけあり内容量はかなり多いですが、国家試験の問題も公式テキストからそのまま出題されるケースも多いため、欠かすことのできないテキストです。
毎年新しいものが出版されているので、まだこのテキストを購入していない方は最新版の購入をオススメします。
分野毎のオススメのテキストが知りたい人はこのページの1番下にあるので、参考にしてください。
\早く知りたい人はこちら/
また、無料で過去問の勉強をしたい人は以下のサイトを利用することをオススメします。
このサイトでは、公害防止管理者の過去問10年分が解説と共にまとめられています。
国家試験のイメージを掴むためにも、過去問には挑戦しておきましょう。
認定講習の情報
実施月 | 12月~3月 |
---|---|
受験資格 | あり ・技術資格による受験資格はこちら ・学歴・実務経験による受験資格はこちら |
実施期間 | 数日 |
受講料 | 大気関係第1種公害防止管理者:46,500円 大気関係第2種公害防止管理者:35,500円 大気関係第3種公害防止管理者:39,500円 大気関係第4種公害防止管理者:28,000円 水質関係第1種公害防止管理者:46,500円 水質関係第2種公害防止管理者:35,500円 水質関係第3種公害防止管理者:39,500円 水質関係第4種公害防止管理者:28,000円 騒音・振動関係公害防止管理者:43,000円 特定粉じん関係公害防止管理者:21,000円 一般粉じん関係公害防止管理者:19,500円 ダイオキシン類関係公害防止管理者:35,500円 公害防止主任管理者:52,500円 |
備考欄 | 聴講免除制度あり※後で詳しく解説 |
聴講免除制度とは
聴講免除制度とは、平成18年度以降の国家試験または認定講習で公害防止管理者の資格を取得した場合、新たに別の講習区分を受講する際に既取得区分と共通する科目の講義の聴講を免除する事ができる制度です。
ただし、この場合でも修了試験は全ての科目範囲の受講が必要となるので注意しましょう。
認定講習の修了試験の難易度
それでは、認定講習の修了試験の難易度について紹介します。
認定講習の修了試験の合格率
認定講習の修了試験の合格率は一般公開されていません。
しかし、一般的に認定講習の方が難易度が低いと言われています。
なぜなら、認定講習で講師がここが重要ですと行ったポイントがそのまま修了試験に出題されるからです。
ただし、以下の知恵袋のように誰でも一発で合格できるわけではないので注意しましょう。
認定講習の修了試験の勉強方法
認定講習では、以下のテキストを使って講義が行われます。
このテキストの内容を事前に予習しておく事をオススメします。
そして、講義の中で講師が重要と言った部分を確実に押さえておけば修了試験に合格することができます。
また、「国家試験の勉強方法」でも紹介した以下の過去問まとめサイトを使用することもオススメです。
公害防止管理者の勉強に使えるテキスト等

最後に、国家試験と認定講習のどちらでも使えるオススメのサイトやテキストをまとめて紹介します。
公害防止管理者の過去問まとめサイト
公害防止管理者の勉強をする上で過去問は欠かせません。
そこで、公害防止管理者の過去問の内容を無料で見たいという人には以下のサイトがオススメです。
このサイトでは、公害防止管理者の過去問10年分が解説と共にまとめられています。
国家試験のイメージを掴むためにも、過去問には挑戦しておきましょう。
大気関係にオススメのテキス
こちらのテキストは公害防止管理者の勉強をする受験生のほとんどが利用している、通称「電話帳」と呼ばれる公式のテキストです。
「電話帳」と呼ばれるだけあり内容量はかなり多いですが、国家試験の問題も公式テキストからそのまま出題されるケースも多いため、欠かすことのできないテキストです。
毎年新しいものが出版されているので、まだこのテキストを購入していない方は最新版の購入をオススメします。
水質関係にオススメのテキスト
騒音・振動関係にオススメのテキスト
ダイオキシン類関係にオススメのテキスト
