さて、世間では衆院選ムードが漂っていますが、皆さんは選挙に行かれますよね? もし政府に対して、または政治家に対して異論があるのなら選挙会場に足を運び、一票を投じるべきです。 私は今年も必ず選挙に行き、正しき一票を投じます。 選挙が始まると当然のように各政党が公約を掲げますが、個人的に気になったのが「消費税廃止論」と「賃金を上げる」といった政策です。
本記事では後者の「賃金を上げる」という政策について経営者目線で、また一人の国民の意見として記事を書いてみましたので是非ご覧頂ければと思います。 消費税廃止論については、別記事の「消費税廃止論について消費者、事業者目線で考えてみた!メリットやデメリットなど」にて公開していますので、是非併せてご覧ください。
「賃金を上げる」には様々な要素が必要
まず、公務員の賃金を上げる分には、出どころは税金なので難しくないと思いますが、企業の「賃金を上げる」には様々な要素が必要です。 単純に企業に対し「賃金を上げろ!」と言われても、一つ返事で出来ない理由があるんです。
例えば、以下のようなことです。
そもそも賃金を上げさせるために税金を投入してくれるなら良いんですが、そんなことはあり得ませんよね…。 もし、賃金を上げる為に法人税を減税したりしても、最初は良いですが企業は「それでも人件費を削減する」という考えは変わりません。 「せっかく税金も安くなったし、従業員を削ればさらに利益も残せる」このように考えるのが当然ですよね。
また、賃金を上げる分の費用を捻出するために、販売価格が高騰した場合、つまり物価が上がってしまうと他にも問題が出てきます。 例えば、生活保護受給者や年金受給者など、仕事をしていない方々は、物価が上がったことで生活が困ってしまいます。
ですので、政治家が選挙のために「賃金を上げる」と掲げるのは良いですが、企業からすれば迷惑も良いところ、勝手に決めないでと考える経営者が大半を占めるはずです。
「賃金を上げる」と企業はどうなるのか?
第一前提として、賃金として上げる分を別で補わなければならないのは当然の事ですが、これがまた企業からすると簡単な事ではないんです…。 例えば、以下のような現象が起きてもおかしくはありません。
- より厳しく利益にならない従業員を排除する
- 新卒採用者を減らす
- 販売価格を上げる(物価が上がる)
私も取引先の従業員を見たり、街に出かけて出会う店員さんなどを見て「よくこんな奴が働いていられるな」と感じる人をたまに見かけますが、賃金を上げた場合、企業はこうした人間をより厳しく排除する動きが見られると思います。 また、新卒採用者を減らすことも考えられますし、もし販売価格が高騰すれば、せっかく給料が上がったのに残るお金は変わらないと言う現象も起きかねません。
ですので、「賃金を上げる」と言うのは簡単ですが、万人が幸せになる政策ではないと思うんです…。
企業だって頑張っている従業員には高い給料を支払いたいと思っている
一応言っておきますが、企業は安月給で働く社畜を増やしたいわけではありません。 結果を出した従業員には、それなりの報酬が支払われているケースも普通にあると思います。 もちろん中には従業員に安月給で働かせる企業もあると思いますが、私から言わせてもらえば「なぜそんな会社で働き続けるのか?」全く意味が分かりません(汗)
もし本当に頑張っていて会社に利益をもたらすなら、当然賃金は上げてもらうべきですし、それでも上げてもらえないのならすぐに転職すべきかと。 また、そんなに実力に自信があるのなら、自分で起業したほうが収入を増やせると思います。
もちろん安定を求めながら高い賃金を求める気持ちも分かりますが、経営者も会社にとっては一人の従業員であり、将来を見据えた計画も重要です。
「賃金を上げる」という政策よりも「所得税を減らす」政策の方がマシ
あくまで私個人的な意見ですが、このコロナ禍で出来ることは、「賃金を上げる」という政策よりも「所得税を減らす」政策の方がまだマシだと思います。
税収が減れば同時に問題もありますが、国会議員、都道府県議会議員、市区町村議員の人数を減らし同時に歳費も減らす、また公務員の給料、ボーナスを減らすと言った政策もせずに、たくさんの納税をしている企業や国民ばかり責任を負うのはどうかと思いますよ…。
もちろん賃金を上げていくこと自体は必要なことですが、それよりも先に税金の使い道について議論すべきです。
まとめ
まとめになりますが、選挙の度に出来もしない公約を掲げる政治家に不信感は募るばかりです。 国民にとって「賃金を上げる」という言葉は何よりも嬉しい言葉だとは思いますが、向ける矛先は企業ではなく国です。 言葉足らずの部分もあると思いますが、あくまで一人の国民の意見としてご理解ください。
以上、最後までご覧頂きありがとうございました。
消費税廃止論について消費者、事業者目線で考えてみた!メリットやデメリットなど