いま現在会社経営をしている方の中で、「経営コンサルタント」から営業をかけられた経験のある方は意外と多いのではないでしょうか? 経営コンサルタントという響きは非常に良いのですが、その裏には「詐欺」という言葉が出るときもあるほど曖昧な職業です。
そこで本記事では、中小企業に経営コンサルタントが必要ないと感じる理由や、経営コンサルタントを雇った方が良いケースなどについて詳しく解説していますので是非ご覧ください。
「経営コンサルタント」とは?
世間でいう「経営コンサルタント」とは、簡単に言えば会社経営に関する改善策を提案してくれる相談役のようなものです。
根本的には会社の業績アップを目的としたコンサルタントが一般的ですが、他にも資金繰りに関する経営コンサルタントや、従業員の育成に関する経営コンサルタントなど、経営コンサルタントとして事業を行なっている会社によって詳細は異なります。 どれも共通して言えることは、現状出来ていないことを改善するための案を出してくれるという事です。
また経営コンサルタントと呼ばれる方たちは、専用の資格は存在せずあくまで『私は経営コンサルタントです』と名乗った時点で経営コンサルタントとしてみなされます。 中には、社労士の資格や公認会計士や税理士、最も多いのが「中小企業診断士」の資格を持った方が多いという印象を受けます。
中小企業に「経営コンサルタント」が全く必要ないと感じる理由
ではここからは、中小企業に経営コンサルタントが全く必要ないと感じる理由について解説していきますが、あくまで私個人的な意見であり「経営コンサルタント=詐欺」ということを伝えたいわけではありません。
- 経営コンサルタントは、料金が高い
- 経営コンサルタントの企画は、大概が資金をかける案が多い
- 経営コンサルタントは、失敗しても賠償はしない
上記3つに分けてそれぞれ解説していきます。
経営コンサルタントは料金が高い
まず最初に、中小企業に経営コンサルタントが必要ない理由として料金が高いからです。
経営コンサルタントの料金は、月額で10万円〜100万円を超えるものもありますし、成功報酬型というプランなどもありコンサルの会社によって料金は様々です。 基本的には高額な印象があると思いますが、その印象通りに想像以上に高額なコンサル料が一般的です。
余るほど資金がある会社なら良いですが、経営コンサルを雇うか考えている会社は財力が乏しいことが多いので、無駄な経費と考えるケースがほとんどです。
経営コンサルタントの企画は、大概が資金をかける案が多い
次に、中小企業に経営コンサルタントが必要ない理由として大概の企画は資金をかける案が多いという理由です。
資金繰りに関する経営コンサルタントや、従業員の育成に関する経営コンサルタントなら良いですが、業績アップに関する経営コンサルタントは、投資をした上で改善するという案が多い印象です。
実際に私も経営者時代に経営コンサルタントを雇うか考えたこともあり、試しに案を出してもらった経験もあります。 その際、設備投資を増やして内製化する案であったり、人材に対して投資をして優秀な人材を増やすという案がありましたが、よくよく考えてみると投資をすれば業績が上がることは当然のことですよね… むしろ、その程度の案であれば経営コンサルタントは必要ないと私は断言して、経営コンサルタントを雇わずに経営を続けました。
難しいことではありますが、やはり投資をすれば必然と業績を上げることはできますので、こういった案を出す経営コンサルタントは詐欺を疑っても間違いないと私は思います。
経営コンサルタントは、失敗しても賠償はしない
そして、中小企業に経営コンサルタントが必要ない理由として失敗しても賠償はしないことです。
この3つ目の理由は確かに仕方のないことではありますが、経営コンサルタントが出した案を実際に実行して失敗した場合に一切の保証はしてくれません。 逆に言えば、経営コンサルタントは言うだけ言って責任はとれないという流れです。
もう一度分かりやすく言います。 この企画を実行すれば業績が上がります。ですが、失敗した場合は責任は取りませんので予めご了承ください。
というのが、経営コンサルタントの手口です。 また、中には誰もが考えることができる無難な企画を出す経営コンサルタントもいれば、失敗した原因は『私たちの言う通りにやってくれなかったから』と言い逃れする経営コンサルタントも多く見受けられます。 ですので、中小企業には経営コンサルタントは全く必要ないと私は断言したいのです。 普通に考えればそうですよね? 他人に言われたことをやって損害が出て、最悪の場合「倒産」までしてしまったら後悔しか残りません。
確かに「経営者は孤独」という言葉があるくらいですから、誰かにすがりたい気持ちは分かります。 しかし、経営コンサルタントと言っても経営に関しては素人同然であり、本当に儲けることができるのであれば経営コンサルタントなんかやらずに自分で起業していると思いませんか? いかに自分たちが損をせずに利益を生み出すかを考えるのが経営コンサルタントですので、中小企業のうちはあまり雇うことを考えないのが得策かと思います。
経営コンサルタントを雇った方が良いケース
経営コンサルタントは必要ないという理由ばかりではなく、逆に経営コンサルタントを入れた方が良いケースというのも実際には存在します。 以下、経営コンサルタントを雇った方が良いケースを2点ご紹介していきます。
資金調達が必要なとき
まず最初に、資金調達が必要なときです。 特に金融機関からことごとく融資を断られて困っている場合には、経営コンサルタントを雇い、しっかりとした事業計画を練ることで、金融機関から融資を受けやすくすることが可能です。 この件に関しては別記事でも解説していますが、税理士などには金融機関との横のつながりや、融資の通りやすい事業計画を熟知していますので、間違いなく良い方向につながると思います。
知らないと困る!会社経営に「税理士」が必要な5つの理由と選び方を解説
株式上場をしたいとき
そして、企業が最も経営コンサルタントを必要とする時は、株式上場を意識し始めて実際に準備を進めたい時です。
おそらくですが、株式上場をする際に経営コンサルタントなしで上場した企業はほぼゼロに近いと思います。 というのも、上場をする為には様々な条件と審査がありますので、専門のコンサルに道筋を作ってもらわないと上場することは出来ません。
私の知人では相当な額を払ってプランニングしてもらい、無事に上場を果たすことが出来た経営者の方もいますので間違いありません。 株式上場に関しては、ご存知の通り見ず知らずの方に投資してもらい資金調達をする場ですので、正確かつ明確な事業計画が必要になります。 証券会社などでもグループ会社で経営コンサルタントの会社を持っているのが普通ですので、まずは金融機関を通して健全な経営コンサルタントを探すことをお勧め致します。
まとめ
まとめになりますが、株式上場を意識していない中小企業にとっては、経営コンサルタントは全く必要ないというのが私個人的な意見です。 高い顧問料を払って失敗に終わる可能性は十分ありますので、経営コンサルタントを雇う際にはしっかりとした路線で紹介してもらい大手と契約するのが一番です。
最後に補足ですが、経営コンサルタントの給与事情を記載しておきます。 経営コンサルタントの年収は1,000万円以上の方が多数いるようですが、さらにランクが高い方だと年収2,000万円以上はザラのようです。 それだけ経営コンサルタントは儲かる仕事であり企業が高いお金を払っている証拠ですので、悪いばかりではないということが分かります。
経営コンサルタントを雇うか雇わないかは経営者次第ですので、もし経営コンサルタントを雇う場合には、第三者の意見も取り入れることをお勧め致します。
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