さて、会社経営をしている社長が「借金」や「負債」を抱えたまま逃げた場合、その会社はどうなってしまうのか? さらには、残された従業員や未払いの給料、借金などの負債はどのように処理されるのか?
基本的に会社組織というのは、いつ倒産するのかが全く想像がつかないものです。 あたかも倒産しそうな会社が、急に業績が伸びて世界を牽引する企業に変貌するかもしれませんし、好調ぶりを見せていた会社が急に破産手続きをするかもしれません。 真実は、経営者である社長にしか分からないということになりますね…。
そこで本記事では、経営者である社長が「借金や負債を抱えたまま逃げた場合どうなってしまうのか?」について詳しく解説していますので是非ご覧ください。
借金を踏み倒して逃げた社長の実話
まず初めに、私の知人で会社経営をしていた社長が、借金を抱えたまま逃げる上で実際にとった行動や経緯について掲載していきます。 あくまで私が個人的にまとめたものですので、多少真実味がない部分やリアル過ぎる内容もありますのでご理解ください。
彼は若いうちに起業して会社経営をしていました。 業績の良い時で、従業員数は約60名以上雇用していた時期もあったそうです。 グループ会社全体の年商は、3社で約6億円に及びます。 そして、金融機関からの借入額は約2億円ほど、下請け業社への負債額は約1億円ほど、トータルの負債総額は税金の未払いやらなんやらで、約3億5千万円ほどだったそうです。
会社経営をしていた彼に起きた大きな壁は、やはり突如現れた東北沖大地震の津波の影響です。 社内に置いてある機材や電子機器などは津波で流され、残った物は塩水に浸かり使えない状況になってしまいました。地震から数ヶ月間は蓄えやらなんやらでなんとか持ちこたえましたが、結論的にこれ以上経営していくことは無理と判断し倒産という二文字が浮かんだそうです。
『支払いをしたくても、払うお金がない』 これが会社経営の歯車が狂った経営者の頭の中で考えている最も解決できないことであり、逃げる理由なのでしょう。 負債を持った業者から毎日のように『支払いをしてほしい』という催促の電話が鳴り止まない状況に、彼は精神状態もおかしくなっていたのだと思います。 中には、『支払いができないのであれば、土地や建物、機材などを担保に入れて欲しい』という無理難題な要望を言ってくる輩もたくさんいたようです。
当時の彼は金融機関に借入の申し込みをしようとしても一切実行をしてくれない。 むしろ、銀行から『担保になっている土地を競売にかけてもいいか?』という軽い脅しまであったようです。 そんな彼は、ちゃんとした形で倒産手続きをしようと考えていたのにも関わらず、突如逃げてしまいました。
彼とは3ヶ月ほど音信不通になっていましたが、私にはその後連絡をくれました。 逃げた彼から話を聞いてみると、『倒産するための費用がない』と言っていました。 会社組織を倒産させるための破産手続きをする際には、それ相応のお金が必要です。 そもそも倒産することを考えていない熱意のある経営者には、倒産するための資金というのは頭にないものなんですよね…。 おそらく倒産するための資金を確保しておくくらいだったら、支払いなどに隔てたいというのがごく一般的な考え方かと思います。
ですので彼は、裁判所で倒産手続きをすることを諦めて、『今後のことを考えながら再起を図る』と言い放ち、新たなスタートを切ったというお話です。
なぜ会社経営を放棄して逃げる社長が存在するのか?
実際のところは企業の借金などは民事の話ですので、踏み倒したまま逃亡してしまえばいずれ時効がきます。(時と場合による。) しかし、状況によっては時効が成立しない場合もありますので、やはり逃げるという選択をする前にしっかりと破産手続きをするのが理想です。
ですが、なぜ企業の社長たちは逃げることを選んでしまうのでしょうか? これは、極度の催告などにより精神的にうつ状態になっているからだと私は思います。 ひと昔前に比べて催告の方法も和らいでいるとはいえ、結構厳しい催告をしてくるのが現実です。 負債を抱えた企業の気持ちも分かりますが、逃げた社長の気持ちも分かります…。 結局のところ負債を抱えた企業や人は会社に倒産手続きをされたら万歳するしかありませんし、その倒産した人間はのんきに新生活を送れるというのが日本社会の良いところであり悪いところでもあります。
私がこの実話を元に掲載した理由は、これから起業を考えている方やすでに起業していて経営難に陥っている方に言いたいことがあるからです。
会社組織は、倒産(破産手続き)することでほぼ全ての負債がチャラになる!
いま現在、経営難に陥っている方に私が言いたいことは、会社組織は倒産することでほぼての負債がチャラになるということです。
わざわざ逃げなくてもしっかりとした形で弁護士に相談の上、裁判所に破産申請をすることで、いま抱えている悩みを解消することができます。 負債を請け負った企業や人には申し訳ないですが、例外を除きごく普通に会社経営をしている企業はスムーズに倒産することができると思います。 基本的には逃げたり死んだりしなくても、ちゃんとした形で破産手続きをすることで、その経営者の命までは取られません。
私も一度倒産経験がありますが、今こうして何不自由なく生活することができていますので、逃げるや死ぬという選択をせずに、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか? 人は、死んだら全て終わりですが、生きてさえいれば人生は継続させることができます。 住んでいた地域では住みにくい環境になってしまうかもしれませんが、だったら遠いところに引っ越せば良いのです。
私の知人にそれなりの規模の会社を経営していた社長が倒産し、その後ハワイで小さなカフェを経営しながら細々と暮らしている人間もいますので、新たな人生をスタートすることも可能だと思います。
少々暗い話になりましたが、経営者と言えど同じ人間ですので、悩みを抱えていては満足した生活は送れません。 まずは専門家に相談して、一つ一つ解決していくことをおすすめします。
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