会社の「将来性」と従業員の「モチベーション」は比例しない説

会社の将来性と従業員のモチベーションは比例しない説

起業して会社経営をする社長になると、燃えたぎるほどに熱い気持ちで『会社経営を成功させよう』、または『売上を上げよう』と考える経営者の方がほとんどだと思います。 しかし、その会社で働いている従業員は、心底同じモチベーションで業務をしているでしょうか? 少なくとも私は、「経営者が考える会社の将来性と従業員ではモチベーションは比例しない」という考えを持っていますので完全に否定的です。

そこで本記事では、会社の将来性と従業員のモチベーションが比例しない理由を解説しながら、どうすれば従業員が経営者と同じモチベーションで働いてくれるのか?ということについて詳しく掲載しています。

会社の将来性と従業員のモチベーションが比例しない理由

早速ですが、経営者が考える会社の将来性と、その会社で働く従業員のモチベーションが比例しない理由について解説していきます。

記事冒頭からズバッと言わせてもらいますが、そもそも経営者と従業員の考えが同じになるわけがないので、同じモチベーションで業務をすることは難しいと思います。 だってそうですよね? 経営者はボランティアで起業したわけではありませんから、1円でも多く業績を上げたいと考えるのが普通です。 中には、いついつまでに上場したいと考える方もいることでしょう。 しかし、従業員にとっては会社の将来性なんかよりも、毎月のお給料が安定してもらえる環境を望んでいます。 だからこそ良い大学に出て、大企業や公務員に入社したいと考える人間が多いのです。

また、会社の経営陣にとっては業績が上がれば上がるほど自分に見返りがありますが、従業員の方にとってはせいぜい微々たる給料が上がる程度です。 このような状況の違いで『同じモチベーションで働け』というのは、むしろ社会主義的な考え方ではないでしょうか? とは言え、会社経営は従業員の働きによって業績を上げることが出来ますので、出来る限り従業員のモチベーションを上げて前に進んで行かなくてはなりませんよね…。

どうすれば従業員が経営者と同じモチベーションで働いてくれるのか?

ではどうすれば、従業員が経営者と同じモチベーションで働いてくれるのでしょうか? また、会社の将来性に応じて従業員のモチベーションが上がる環境を作るにはどうしたら良いのでしょうか?

あくまで私が経験したことを元に持論を語らせて頂きますが、やはりどうしても会社の将来性に対して従業員のモチベーションを上げることは難しいことですので、最初から考えない方が得策かと思います。 世間では「従業員を育てる」という名目で大事な業務を従業員に任せ、失敗した際には降格処分や減給処分を下すという行為が日常で行われていますが、私はこのような行為は反対派です。 むしろ、このような行為をしてしまったせいで会社経営を失敗してしまったのだと今だからこそ感じます。 従業員は、会社にとって経営者の代用でもなければ雑用係でもありません。 反対にこんな会社でも働いてくれている従業員に「汚れ仕事をさせるわけにはいかない」という考えが普通なのではないでしょうか?

月商1,000万円の売上を同業他社に取られてしまった件に関して、従業員がどう責任を取ることができますか? 年商にして1億2千万円損したから払えと言っても払える額ではありません。 その従業員にとっては、『クソみたいな安月給でこんな仕事させるなよ』と感じているかもしれません。 少々話が逸れましたが、会社経営者が考える「会社の将来性」は少なくとも本年度よりもプラスになることを望んでいると思います。 ですが、あくまでこれは経営陣の考えが主であって、従業員にとっては『もっと給料が上がらないかな』という考えが一般的ですので、明確に給料が上がるポイントを提示することが大事だと思います。

会社経営者と従業員の間で結ばれているものは「想い」や「情」ではなく、所詮「お金」です。 私も起業当時や会社の業績が良い時は『従業員は家族だ』なんて格好つけていた時代もありましたが、会社が倒産となれば残る従業員は一人もいません。 むしろ、郵便の内容証明で未払いの給料の請求をしてくるのが普通です。 ですので、モチベーションどうこうの前に結ばれている「お金」というアイテムを利用して、給料を上げるということを前提に従業員のモチベーションを上げていくのがもっとも理想の方法だと私は思います。

まとめ

まとめになりますが、やはり会社の将来性と従業員のモチベーションは比例しないという説は間違いないことです。 ただし、上記で記載してきた内容はあくまで私個人的な意見ですので、世の中の会社全てが当てはまるわけではありません。

また、大手の企業(上場企業)では考え方は全く異なりますので該当することはありませんが、ほとんどの従業員は「給料が上がることにモチベーションを感じる」と思いますので、本当に従業員のモチベーションを上げたいのであれば、従業員の給料を上げる為の資金繰りに力を注ぐことをおすすめ致します。

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