会社組織が倒産した場合に、代表者を含む「取締役」、または「役員」が負わなければならない責任はどんなものがあるのでしょうか? 会社組織の代表者、いわゆる「代表取締役」は、金融機関から融資を受ける際などに「連帯保証人」になっているケースがほとんどですので、会社が倒産する場合には代表者個人の破産手続きも同時に申し立てる必要がありますが、その他の取締役や役員は、原則的には何らかの責任を負う必要はないとされています。
ただし、例外がいくつかありますので、本記事では会社が倒産した場合の「取締役」や「役員」が負う責任について解説していきたいと思います。
会社が倒産した場合の「取締役」や「役員」が負う責任とは?
会社の経営状態が悪化し倒産することになった場合に、「取締役」や「役員」が負わなければならない責任について掲載していきます。
基本的な法律としては、法人と個人は別個となっておりますので、法人が倒産する場合には代表者個人や取締役やその他役員が負わなければならない責任は一切ありません。 しかし、金融機関などから融資を受ける際には、基本的に代表者、いわゆる「代表取締役」の連帯保証人は欠かせないものとなっていますので、その場合には会社が倒産する際に代表者個人の破産申立を同時にする必要があります。
また、中小企業であれば「取締役」や「役員」が金融機関等の連帯保証人になるケースはほとんどありませんので、保証人や連帯保証人になってさえいなければ「取締役」や「役員」は一切の責任義務はありません。
私が会社を経営していた時には、私を含む4名の取締役で取締役会が構成されていましたが、倒産した際には私ともう1人の取締役を除き責任は負っていませんので間違いありません。 では次項では、私が経営していた会社の取締役1名が負った責任をご説明しながら、「取締役」や「役員」が責任を負わなければならないケースについて掲載していきます。
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「取締役」や「役員」が責任を負わなければならないケース
会社が倒産した場合に、代表取締役以外の「取締役」や「役員」が責任を負わなければならないケースは以下になります。
- 保証人・連帯保証人になっている場合
- 損害賠償請求が入った場合
- 破産管財人による否認権行使を訴えてきた場合
これらに該当している「取締役」や「役員」は、会社倒産時に共に責任を負う必要が出てきます。
保証人・連帯保証人になっている場合
まず最初の例外としては、取締役や役員が法人の何らかの保証人や連帯保証人になっている場合です。
分かりやすく言うと、金融機関などから融資を受ける際に本来であれば代表取締役の連帯保証人を付けるのが一般的ですが、場合によってはその他取締役も一緒に連帯保証人になる場合がありますので、そういった場合には代表者以外の取締役にも責任を負う必要が出てきます。
また、実際に私が経営している会社であったことですが、外注先に支払いが数回遅れた際に、代表者だけでなく取締役営業本部長が連帯保証人になった場合がありましたので、倒産の際にはこの取締役営業本部長も一緒に破産申立をした経緯がありました。 代表者だけでなくその他取締役や役員も連帯保証人になってしまった場合には、倒産時には100%責任を負わなければなりませんので注意が必要です。
損害賠償請求が入った場合
次に、取締役や役員に対し損害賠償請求が入った場合です。
こちらを分かりやすくご説明すると、取締役や役員が会社のお金を私的に使ってしまった場合や、故意に業績が悪化することをしたという証拠がある場合には、法人あるいは第三者から損害賠償請求をされると責任を負わなければなりません。 ごく稀なケースではありますが、こちらも責任を負う必要がありますので注意が必要です。
破産管財人による否認権行使を訴えてきた場合
そして、破産管財人による否認権行使を訴えてきた場合です。
こちらも分かりやすくご説明すると、特に計画倒産をする会社などにありがちな傾向ですが、倒産することが分かった状況で、法人名義のものを取締役や役員の個人名義に変えるような行為をすると、破産手続き時に選任された破産管財人によって訴えられるケースがあるようです。 こちらに関しては良く耳にすることでもありますが、早く破産決定の処理をされたい場合には法人名義のものを個人名義に変えるといった行為はしない方が無難です。
また、法人の資金で個人の財産になるようなものを購入した場合も、該当する可能性がありますので注意が必要です。
まとめ
できる限り専門的な言葉を使わないように記事を掲載してみましたがいかがでしょうか? 基本的には会社倒産時には、連帯保証人にさえなっていなければその他の取締役や役員が負わなければならない責任はありませんが、意外と身近な例外がありますので注意が必要です。
あくまで私が弁護士から聞いた情報、インターネットで独自に調査した情報になりますので、明確な詳細は専門家の弁護士に相談して確認してみましょう。
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